わたしがナレーターを辞めてから4年近い月日が流れています。
そのため、町を歩いていて自分の声を聞く、という機会はもうほとんどありません。
が、先日4歳の息子ときかんしゃトーマスやプラレールのYouTubeを見ていたところ、懐かしい画像に偶然出会いました。
実はこちら、以前ナレーションさせて頂いたものです。
かなり前のものですが、最初のキャプチャ画面で一気に当時の記憶がよみがえりました。
今日は、この懐かしい映像を4歳の息子と一緒に見ることができた幸せを、記事にしたいなあと思います。
親の夢にこどもが触れること
わたしは現場ではいつもド緊張するヘタレでしたが、録音時の温かい雰囲気が嬉しくて、幸せだったのを覚えています。
「これ、おかあ? おかあの声?」
息子が不思議そうに何度か動画を見ています。
とてもかわいい商品なのに、自分の声のアラばかりが見えてきていたたまれない気分になり、4度目には違うチャンネルへ。
すぐに別のYouTuberさんがプラレールで遊ぶ画像に見入った息子の背中を見ながら、なんだかこそばゆいながらも嬉しい気持ちになっていました。
声の仕事がしたくて、がむしゃらに頑張っていた頃のことを知る人は、今はもうまわりにはいません。
特に誰かに話すこともないし、自分の中でもどこか遠い記憶になってきていました。
でも、確かにわたしは、自分の夢を追っていた。
大好きなものを、大声で大好きだ!!って宣言しながら、もがいて生きていた。
その小さなカケラが、ふいに目の前に現れたような気がしました。
そしてそれを一緒に息子が見つけてくれたことが、とても嬉しくてたまらなかったのです。
この子に、わたしの「夢」を垣間見てもらえたから。
親の「夢」をこどもが見る、なんてすごく貴重だと思えました。
夢を追うこと
夢と現実
こどもの頃、たやすくわたしたちは「夢を持ちなさい」と言われました。
夢を追って生きるのは素敵なことだよ、と。
この子はどんなことが好きなんだろう?
この子は何が得意なんだろう?
そんなふうに、親は自分の元に生まれてきたこどもの「夢」を見てみたいと思ってしまう。
でも、こども時代に夢を見つけて走り始め、やがておとなになってもなお夢を追って生きるのは、言うほど美しいことばかりではありません。
距離をとる友達、競争、将来への焦り、自分というものへの過信と絶望、生活の不安。
夢を聞いてきた親ですら、「アンタしっかりなさいよ」と心配と軽い失望の眼差しを向けてくる。
そういったものと常に向き合い、傷つきながら進む道です。
そしてそこまでしても、手に入れられない夢も残念ながらあるのが現実です。
こんな偉そうに書いていますが、わたしだって同じ。結局売れっ子には程遠く、好きなこと1本で食べていくことができずに複数の仕事を掛け持ちました。
ただ、見守るだけでもいい
それでも。
もしもこの子が追いかけたい夢を見つけられたとしたら、わたしはその夢を応援できる、一番近くのひとでありたいと思っています。
夢を追う難しさを知っているから、助言なんかできない。
おそらく「がんばれ」とすら、怖くて言えない。
けれど、ただ見守ってくれるひとが近くにいるだけで、心強いことも知っています。
苦しいことも辛いことも承知で、それでも夢を見続けられることは幸運でありそれだけで才能です。
そして「追いかけてもいい」と許されることも幸運であり稀なことなのです。
こどもたちがそんな幸運に巡り合えたら、わたしは最初から最後まで見届けてあげたいなあと思うのです。
高く大きな星
かつて、若かったわたしが打ちのめされていたときに、あるひとから言われた言葉があります。
「叶いそうもないほどデカい夢?
いいじゃん、夢は大きければ大きいほどいいよ。
高ければ高いほどいい。
大きくて高い星なら、絶対に見失わないからさ」
活字にすると恥ずかしいですね(笑)
でも、こんな言葉を現実の世界でまともに言ってもらえる力が、夢にはあるのです。
叶っても、叶わなくても、夢は頭上に輝く美しい星。
手に入れるとか、手が届くとか、そういう次元ではないのです。だって星なんだから。
追いかけて追いかけて、気づいたらやりたかったことをやっている自分がそこにいる、という魔法があることを疑ってほしくない。
そうはいっても、親だから
そこまで考えて、さらにわたしはうなってしまいました。
うーん。
こどもが苦労することが分かっていたら、やっぱり親として「やめなさい」と言ってしまうのかもしれない。
こどもの幸せって、なんだろう。
苦労しても好きな道を行くこと?
自分らしい着地点を見つけながら生きていくこと?
そのとき、親は何をしたらいいのだろう?
その答えは、まだまだ先に出るのでしょう。
今はこの動画を一緒に見られた奇跡に感謝して、また大好きな絵本を読んであげたいと思っています。
おまけ
YouTubeの動画をお借りしたので、遊んだことはないのですが「きかんしゃトーマス木製レールシリーズ」のリンクを貼っておきます。
いろいろ出ているようで何を出したらよいのか迷いましたが、スターターセットというものがありました。
とても優しく温かい感じのシリーズだなあという印象です。
4歳の息子はトーマスにものすごくハマらなかったのですが、もし0歳の娘が今後トーマス好きになったら、試してみたいなと思います。
そのときはまた、レビューさせて頂きますね。
〇こどもたちの記事です〇